Typhoon Of Love
⑪ (龍人サイド)
--*--*--*--*--*--

「あれ…結木先輩っ!?」



朝、校門をくぐるとすごい勢いで走って来る結木先輩がいた。
鞄を抱えて、下をうつむきながら走っていた。

向かって来た先輩の腕を掴んだ。
すると結木先輩は不意を突かれたようなすごく驚いた表情でいた。



「どうしたんすか、そんな走って」



「……………」



「何か答えてくださいよ!!」



依然としてうつむいたままだ。



―こうなったら…



と、結木先輩の顔に顔を近付けた。
また耳元で『また唇奪っちゃうよ』なんて言おうとした。
そうでもしないと、答えてくれないじゃん??


そんなこと考えている時だった。



ドンッ



結木先輩に思い切り突き飛ばされた。
先輩の姿はもう見られない。


< 47 / 107 >

この作品をシェア

pagetop