Typhoon Of Love
⑳ (一真サイド)
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「オレってダメなやつ」
右腕に鞄を抱えて、左手で頭をかき、そうつぶやいた。
前から女子高生が向かってくる。
たいていオレとすれ違う人はみな目を輝かせてオレを見てくる。
ときたま"かっこいいー"と言いながらこっちに向かってくる。
いつもならにっこり微笑んでやるけど、今はそんなことする気力がない。
笑うどころか、あの人かっこいいと言って向かってくる女子高生を睨み付けてしまった。
彼女たちは怖いーと言いながら走っていった。
オレは、自分のこの顔でよかったと思ってた。
オレから寄らなくても女達の方からよってくる。
でも叶美を好きだと気付いた今。
叶美はこんな顔、あっても振り向いてくれやしないのがわかった。
―神様…できるのであれば、この顔を捨てる代わりに、叶美の心をオレに向けてください…
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「オレってダメなやつ」
右腕に鞄を抱えて、左手で頭をかき、そうつぶやいた。
前から女子高生が向かってくる。
たいていオレとすれ違う人はみな目を輝かせてオレを見てくる。
ときたま"かっこいいー"と言いながらこっちに向かってくる。
いつもならにっこり微笑んでやるけど、今はそんなことする気力がない。
笑うどころか、あの人かっこいいと言って向かってくる女子高生を睨み付けてしまった。
彼女たちは怖いーと言いながら走っていった。
オレは、自分のこの顔でよかったと思ってた。
オレから寄らなくても女達の方からよってくる。
でも叶美を好きだと気付いた今。
叶美はこんな顔、あっても振り向いてくれやしないのがわかった。
―神様…できるのであれば、この顔を捨てる代わりに、叶美の心をオレに向けてください…