マイ・ディア・タイガー
部活が終わって、部長の田中先輩と副部長二人と二年生のリーダーとマネージャーの私で、練習状況の確認をする。
確認が終わり、そのまま皆で揃って帰宅する。家の方向が田中先輩と同じなので、皆とは校門で別れ、そのまま歩き出した。
「えっ、田中先輩も水高受けるんですか?」
何となく志望校の話になって、先輩の志望校を聞いて驚いた。頭良さそうだとは思っていたけれど、やっぱりそんなに良かったのか。
「うん、今のとこその予定。トラ先輩みたいに日頃の成績良くないから、後期一本だけどね」
「水高狙う時点で既にすごいですよ」
「高校でも部活やりたいしねー。公立でサッカーやるんなら、やっぱり水高だなって思って」
「そうですよね…」
「あ、そういえばトラ先輩、もうレギュラー取ったんだって。やばくね?聞いた?」
「あ、はい。ちょうど昨日聞きました」
「あ、昨日も会ったんだ?仲良いなぁ相変わらず」
卒業式の日が先輩と最後の時間だと思って、私はかなり別れの雰囲気に浸っていた。
しかし水高は中学校のある道をずっと真っ直ぐ先に進んだところにあり距離的にそんなに遠くなく、新学期後始まって、部活終わりに歩いていると虎頭先輩と偶然会う事があった。
高校の部活は中学よりも終わる時間が遅いけど、たまに早く終わる時があるらしい。
新学期後始まって2週間後に先輩に声を掛けられた時は、拍子抜けた。