Shooting☆Star
「折角、ダイチと二人で飲みに行こうと思ったのに。」
弘也と本間さんが楽屋を出る瞬間、本間さんが独り言ちたことを百香は聞き逃さなかった。
思わずダイチを振り返る。ダイチは困った顔をして、スマホを弄りだした。
すぐにモモのスマホがメッセージを受信する。〈そんな約束してない〉ほんとに?〈ほんとに〉わかった。

「わかった。」
百香が唐突に声をあげたものだから、圭太と拓巳が何事かと振り返る。
「この中で、今日、事務所に戻るのは誰?」
拓巳と祐樹とダイチがスッと手を挙げる。
秀に視線を向けると「帰る。」と、首を振って楽屋を出て行った。
「圭くんは?」
「えぇー、マジで練習すんの?すげえな。そんな体力ないよ。」
「じゃあ、帰る?」
「そうしまーす。」
「あ、今週の領収書、あとで本間さんに送っておいてね。」
「はーい。おつかれっすー。」
圭太を見送って、じゃあ、事務所帰りますかと、楽屋を振り返る。
百香は、明日のことはひとまず考えないで過ごすことにした。
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