Shooting☆Star
「うん?」
百香の言葉に、ダイチと祐樹が視線を合わせる。
「A、私とダイチが一緒に降りて撮られる。」
「却下。」
百香の提案を祐樹が即座に却下する。
「B、三人で一緒の部屋に帰る。」
「はぁ?」
それは嫌だとばかりに、ダイチが眉を釣り上げる。
「C、大人しく解散する。」
「「無難!!」」
百香にしては真っ当な提案に、揃ってツッコミを入れてしまう。
「提案しておいてなんだけど、私、Cは嫌。せっかくの休みなのに!デートしたいの!!」
「えぇぇー。わがままかよ。」と声をあげて、祐樹がふと真顔になる。
「D、ダイチだけ降ろして、オレとモモがわざと撮られる……ってのは?」
「はぁ!?」
「そしたら、明日の朝ダイチを迎えに行って、三人で行こう。あ、あの女優の子も誘えたら一緒に。デートじゃなくなっちゃうけど、それなら自然だろ?どう?」
い、いや、どう?って、そんなドヤ顔されても。
「ユウくんと私が撮られてどうするの……」
「オレとダイチは仲がいい。あの女優の子…カレンちゃんだっけ?あの子とモモは仲が良いんだろ?だったら、四人で一緒にいるのは不思議じゃないだろ?」
「待ってよ。そもそも、私とユウくんが撮られたら、社長に怒られるよ!?」
本末転倒!百香は思わず叫んだ。
しかし、祐樹は百香の意見などお構いなしでダイチに意見を求める。
「ダイチはどう思う?」
「百香の相手がお前ってのが気に入らないけど、まあ、悪くはないと思う。お前、今までスキャンダルみたいなのないし。」
そこ!?そこなの!?ツッコミを入れることも忘れて、百香は深い溜息をついた。
「ダイチは私が別の人と撮られてもいいんだ…。」
誰も本気で言っていない。わかってる。
「いいわけじゃないけど。だってユウだろ。知らないやつじゃねえし、そもそも嘘だし。」
非現実的で悪い冗談みたいな思い付き。無駄な悪足掻き。
…でも、何故か、抜け道はそれしかない気がした。
「…ちょっと、社長に電話する…。私、マネージャーとして、それでいいって言えないし。」
そう言って通話ボタンを押す。
社長なら、きっと、この二人を止めてくれる。
夜分にすみません…実は…と、一通り状況を説明したところで、社長が百香に問いかける。
「百瀬、前にも訊いたけど。アイドルの彼女でいる覚悟はある?」
「はい。」
「なら、撮らせなさい。」
「えっ!?」
その場に居た全員が「マジかよ」と声を出さずに呟く。
「えっと……ダイチとですか…?」
恐る恐る聞き返した百香に、社長の声がかぶさる。
「何言ってるの。祐樹とよ。さっきの、良い案だと思うわ。それならダイチの評価が下がることもないし、カレンちゃんのことは気にしなくていい。世間を上手くごまかせれば、祐樹の好感度も上がるわよ。いいじゃない。マネージャーとの恋。」
「社長、マジで言ってるんですか?」
「私がマジじゃなかったことがあって?」
「いえ…ないですけど。」
ダイチの手の中で、百香の手が震える。
私が相手でも祐樹の評価は下がらないけど、私が相手だとダイチの評価が下がるんだ……突き付けられた現実に、なんだか悲しくなる。
「わかりました。」
百香はそう言って通話を終了した。
百香の言葉に、ダイチと祐樹が視線を合わせる。
「A、私とダイチが一緒に降りて撮られる。」
「却下。」
百香の提案を祐樹が即座に却下する。
「B、三人で一緒の部屋に帰る。」
「はぁ?」
それは嫌だとばかりに、ダイチが眉を釣り上げる。
「C、大人しく解散する。」
「「無難!!」」
百香にしては真っ当な提案に、揃ってツッコミを入れてしまう。
「提案しておいてなんだけど、私、Cは嫌。せっかくの休みなのに!デートしたいの!!」
「えぇぇー。わがままかよ。」と声をあげて、祐樹がふと真顔になる。
「D、ダイチだけ降ろして、オレとモモがわざと撮られる……ってのは?」
「はぁ!?」
「そしたら、明日の朝ダイチを迎えに行って、三人で行こう。あ、あの女優の子も誘えたら一緒に。デートじゃなくなっちゃうけど、それなら自然だろ?どう?」
い、いや、どう?って、そんなドヤ顔されても。
「ユウくんと私が撮られてどうするの……」
「オレとダイチは仲がいい。あの女優の子…カレンちゃんだっけ?あの子とモモは仲が良いんだろ?だったら、四人で一緒にいるのは不思議じゃないだろ?」
「待ってよ。そもそも、私とユウくんが撮られたら、社長に怒られるよ!?」
本末転倒!百香は思わず叫んだ。
しかし、祐樹は百香の意見などお構いなしでダイチに意見を求める。
「ダイチはどう思う?」
「百香の相手がお前ってのが気に入らないけど、まあ、悪くはないと思う。お前、今までスキャンダルみたいなのないし。」
そこ!?そこなの!?ツッコミを入れることも忘れて、百香は深い溜息をついた。
「ダイチは私が別の人と撮られてもいいんだ…。」
誰も本気で言っていない。わかってる。
「いいわけじゃないけど。だってユウだろ。知らないやつじゃねえし、そもそも嘘だし。」
非現実的で悪い冗談みたいな思い付き。無駄な悪足掻き。
…でも、何故か、抜け道はそれしかない気がした。
「…ちょっと、社長に電話する…。私、マネージャーとして、それでいいって言えないし。」
そう言って通話ボタンを押す。
社長なら、きっと、この二人を止めてくれる。
夜分にすみません…実は…と、一通り状況を説明したところで、社長が百香に問いかける。
「百瀬、前にも訊いたけど。アイドルの彼女でいる覚悟はある?」
「はい。」
「なら、撮らせなさい。」
「えっ!?」
その場に居た全員が「マジかよ」と声を出さずに呟く。
「えっと……ダイチとですか…?」
恐る恐る聞き返した百香に、社長の声がかぶさる。
「何言ってるの。祐樹とよ。さっきの、良い案だと思うわ。それならダイチの評価が下がることもないし、カレンちゃんのことは気にしなくていい。世間を上手くごまかせれば、祐樹の好感度も上がるわよ。いいじゃない。マネージャーとの恋。」
「社長、マジで言ってるんですか?」
「私がマジじゃなかったことがあって?」
「いえ…ないですけど。」
ダイチの手の中で、百香の手が震える。
私が相手でも祐樹の評価は下がらないけど、私が相手だとダイチの評価が下がるんだ……突き付けられた現実に、なんだか悲しくなる。
「わかりました。」
百香はそう言って通話を終了した。