Shooting☆Star
前途は多難だな。
事務所でのミーティングの前に本社に立ち寄り、社長の前に百香と並んで立った時、祐樹はそう思った。
社長には百香が家を出る前に連絡をしていたらしい。
「結婚します。」と伝えた百香に、社長は「そう。好きにしなさい。べつに、仕事さえちゃんとしてくれれば構わないわ。」と、あっさりと言い放った。
「順番が前後してしまい、申し訳ありません。社長、百香さんを、オレにください。」
そう言って頭を下げた祐樹に、社長は口元だけで笑う。
「あなた、色々混ざってるわよ。いい?もう一度言うけど。私はね、あなた達が仕事さえちゃんとしてくれれば、それでいいわ。それより祐樹、あなた、百香を支える覚悟はある?」
「あります。」
顔をあげた祐樹に、今度はふわっと笑って見せる。
ああ、こうして笑うと百香に似てるな。
初めて見た気がする社長の笑顔は、確かに百香の母なのだろうと思わせる説得力がある。
母と娘、二人の間にどんな事情があるのかは知らないが、決してそれは悪いものだけでは無いのだろう。
モモのことを、いつもは百瀬と呼ぶ社長が、百香と言うのを目の当たりにして祐樹は少し安心した。
「そう、いい返事だわ。百香をよろしくね。この子はね、私の宝物なの。たったひとつの宝物なのよ。だけど、大切にしてくださるのなら、あなたに差し上げるわ。……絶対に、手を離しては駄目よ。」
真っ直ぐに祐樹の目を覗き込んで微笑む社長の姿は、魔女みたいだ……と、祐樹は思った。
魔女から託された宝物は、祐樹の横で微笑んでいる。
妖精の母は魔女なんだな……百香もそのうち魔女になるのだろうか。
そういえば、弘也は怒った百香を魔女みたいだと言っていた。
想像、つかないな。
でも、どんな姿でも、百香は百香だ。
事務所でのミーティングの前に本社に立ち寄り、社長の前に百香と並んで立った時、祐樹はそう思った。
社長には百香が家を出る前に連絡をしていたらしい。
「結婚します。」と伝えた百香に、社長は「そう。好きにしなさい。べつに、仕事さえちゃんとしてくれれば構わないわ。」と、あっさりと言い放った。
「順番が前後してしまい、申し訳ありません。社長、百香さんを、オレにください。」
そう言って頭を下げた祐樹に、社長は口元だけで笑う。
「あなた、色々混ざってるわよ。いい?もう一度言うけど。私はね、あなた達が仕事さえちゃんとしてくれれば、それでいいわ。それより祐樹、あなた、百香を支える覚悟はある?」
「あります。」
顔をあげた祐樹に、今度はふわっと笑って見せる。
ああ、こうして笑うと百香に似てるな。
初めて見た気がする社長の笑顔は、確かに百香の母なのだろうと思わせる説得力がある。
母と娘、二人の間にどんな事情があるのかは知らないが、決してそれは悪いものだけでは無いのだろう。
モモのことを、いつもは百瀬と呼ぶ社長が、百香と言うのを目の当たりにして祐樹は少し安心した。
「そう、いい返事だわ。百香をよろしくね。この子はね、私の宝物なの。たったひとつの宝物なのよ。だけど、大切にしてくださるのなら、あなたに差し上げるわ。……絶対に、手を離しては駄目よ。」
真っ直ぐに祐樹の目を覗き込んで微笑む社長の姿は、魔女みたいだ……と、祐樹は思った。
魔女から託された宝物は、祐樹の横で微笑んでいる。
妖精の母は魔女なんだな……百香もそのうち魔女になるのだろうか。
そういえば、弘也は怒った百香を魔女みたいだと言っていた。
想像、つかないな。
でも、どんな姿でも、百香は百香だ。