Beast Love
遠慮がちに教室に入って来た彼女は、やがて私たちの近くに歩み寄ってきた。
「あ、あの、手紙……どうでした?」
期待にも似た眼差しで見つめられ、託された任務を失敗した罪悪感が、チクリと胸に刺さる。
私は彼女に、正直に事情を説明した。
「すみません、受け取ってもらえませんでした」
ぺこりと頭を下げながら、行き場を失った手紙を返却する。
「やっぱりそうですよね。そんな気がしてました……。すみません、初対面なのにこんなことを頼んじゃって……」
肩を落とす小雪さんに、私は玄武くんから頼まれた言付けを伝える。
「あの! ……玄武くんが、その手紙を返却してきたときに、言ってました。『君のせいじゃないから』って。貴女に、そう伝えて欲しいって」
机に、ポタポタと何かが降り注ぐ。
雫の先を確認すれば、小雪さんの瞳からは小粒の涙が流れ出していた。
「あ、あの、手紙……どうでした?」
期待にも似た眼差しで見つめられ、託された任務を失敗した罪悪感が、チクリと胸に刺さる。
私は彼女に、正直に事情を説明した。
「すみません、受け取ってもらえませんでした」
ぺこりと頭を下げながら、行き場を失った手紙を返却する。
「やっぱりそうですよね。そんな気がしてました……。すみません、初対面なのにこんなことを頼んじゃって……」
肩を落とす小雪さんに、私は玄武くんから頼まれた言付けを伝える。
「あの! ……玄武くんが、その手紙を返却してきたときに、言ってました。『君のせいじゃないから』って。貴女に、そう伝えて欲しいって」
机に、ポタポタと何かが降り注ぐ。
雫の先を確認すれば、小雪さんの瞳からは小粒の涙が流れ出していた。