Beast Love
「おっ、此処のコート空いたぜぇー」

私たちがレンタルしたコートに足を踏み入れる、悪人ヅラした3人の大学生がいた。


「ちょっと、このコートは……っ!」

一歩前に出てそう抗議しようものなら、大学生のひとり、キャップ帽を被った男が語尾を強くして捲し立てる。


「ああ? お前らふたりしかいねぇのに、こんなだだっ広い場所で何するっつーんだよ。バスケ舐めてんのか?」

ジャージを着た男と首にタオルをかけている他のふたりも、同じく汚い罵声を浴びせてきた。

「なんとか言ってみろや、モヤシボーイ」
「どうせおままごとみてぇーなボール遊びでもしようとしてたんだろ? なら、俺らに使われた方がコートも幸せってもんよ」


服装のせいからか、この人たちは……、いや。

コイツらは、私のことを男子だと感違いしているらしい。

横暴な態度と変な感違いをされ、余計に腹立たしく感じる。


胸に沸々と、怒りがこみ上げてきた。
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