Beast Love
バズーカ砲で撃たれたような衝撃が、ズドーンッと胸を襲う。


ええ、それはもういつもの憎まれ口も叩けないような、相槌も打てないような不意打ちだった。


これがいわゆる、胸キュンというやつである。

私は此奴に、胸をキュンとさせられてしまったのである。



顎を掴んでいた指を離され、「おい、聞いてんのかよ」と小突かれる。


「あなたってさ、歩く爆弾発言だよね」

「おい、それどういう意味だ? ディスってんのか?」


照れ隠しでそう言おうものなら、いつものプチ喧嘩が始まった。

「人がせっかく忠告してやってんのに……。今後は男相手に力尽くで何かしようとすんなよ? お前は仮にも、お ん な の こ なんだからな」

「キィー! 仮にもってどういうことよ!? 正真正銘、女よ私は!」

「耳元でキャンキャン吠えるなよ、ウルセーから。あと女だって主張するなら、もう少し可愛らしくしろ」

「……そのうち噛み付いてやるから、覚悟しなさい……」
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