Beast Love
「だから、俺を狙うなって」

「いやぁー、最近お前のヌいてなかったし? ほら、久々に良いだろ? 部活に復帰できた祝いによぉ?」

「なんの祝いだよ?!」


これは腐のつく女子の方々が耳にすれば、間違いなく彼らの関係性を勘違いする会話内容である。


ふっと横を見れば、ツボに入った白虎町くんに誘われて、青龍院くんも大きな口を開けて笑っていた。


(……あっ、青龍院くんっていつも仏頂面だけど、普通に笑えるんだ……)



「いっっってぇーーーー!!!!」


被害に遭った玄武くんの苦悶の叫び声が上がれば、笑い声がひとつになって生物室に木霊する。

さっきまで半泣きだったオタクくんも、「デュフデュフ」と楽しそうに輪に混じっていた。


(……バカだ、この人たち……)


私は呆れつつ、ほうきを手に取り掃除を続けることにした。
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