Beast Love
「なんだよ、人の顔ガン見して。喧嘩売ってんのか? それとも、」

彼はそう言って、ワザと次のフレーズにアクセントを置く。

「俺に、惚れてんの?」


一瞬、息が詰まった。


机に座っている男は窓から射す太陽光に髪を輝かせて、挑発的な視線を私に投げかけていたから。


フェロモン指数が高い性的な刺激を持った立ち振る舞いに、くらりと目眩がする。


その気になればこの世の女性全てを自然に惹きつけるクールなオーラに、私は呼吸を止めてしまったのだ。


唇が、言葉にならない言葉を形成しながら、慌ただしく動く。

「んなっ…………!? だ、誰がアンタなんか……っ!!」

私が、マサトに惚れてるって?
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