Beast Love

そして、数日後。


提出期限を過ぎても進路希望を出せずにいた私は案の定、先生からの呼び出しを食らうことになってしまった。



茜色に染まる放課後に重い気分で職員室に向かうと、宇佐美先生は先客を相手にしているようだった。



それは…………


「青龍院? 貴方ならどんな大学にも挑戦出来る実力が備わっているのに……どうして、白紙のままなのかしら?」



(せっ、青龍院くん?!)



正直、驚いた。


頭脳明晰な彼でさえ、進路に悩んでいるなんて。


職員室の入り口で、先生と青龍院くんの話が終わるのを待っていると。


後ろにある扉が開き、存在感のある大男が入ってきた。


「ちぃーっす。宇佐美センセーは、……トオルと駄弁ってんのか。…………なんだよ、ポチ公も呼び出されてんのかよ?」


「うげっ。マサト…………くん」


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