Beast Love

「おばあちゃん、どうしたの？」

「餃子の皮を買ってくるの、忘れちゃったー」


餃子を作るのに皮がないなんて、それはただのつくねである。


「えへーーっ！ なにそれ！？ ウケる！！おばあちゃん、皮を忘れたら餃子作れないじゃん！」


ケラケラと笑っていると、買い忘れた本人もそれほど気にしていない様子で、肩を揺らして笑っている。


「ほっほっほっ。そうだねぇ、仕方ないから今日はタネをこのまま焼いて、おかずにしようかね」


おばあちゃんと一緒に生活していると、予想だにしないハプニングが起きるから正直言って面白いし、刺激的だ。


小さな身体と丸い背中で一生懸命に自分なりに考えて工夫を凝らし、生活しているおばあちゃんを支えてあげたいと思える自分が、結構好きだったりする。


(……んっ？ これって長所って言うのかな……？)