Beast Love
無事に餃子の皮を購入し、小雨が降りしきる中、家路を急ぐ。


やがて小雨は大粒となり、バタバタと大きな落下音と共に傘を叩き始めた。


「わー、本当に降ってきちゃったよー。急いで帰ろう」


ふっと、視界の片隅に見慣れた制服が過ぎる。


駆けていた足を止めると、公園のベンチに座り、放心状態で雨雲を見上げる男子生徒の姿が。



「あれは……」


いつもとは違った彼の雰囲気に戸惑いつつ、頼りない木製の天井から雨漏りしているそこへと足を進める。



「……青龍院、くん?」


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