Beast Love
なんとも言えぬ気まずさに、どうしたものかと思案していた……その時だった。


誰かのお腹がかすかに、くぅーっと情けない音を発する。



「あ、…………」

頬を赤らめたのは、青龍院くんの方で。


「お腹、空いてるの?」


まぁ今は夕飯時だから、お腹が空くのは仕方がないっちゃ仕方がない。


現に私も、のどのあたりが泣くような空腹感が込み上げてきている。



「まぁ、そう……だな。コンビニで適当に何か買って…………」


制服の上からポケットを叩いている顔から、サーッと血の気が引いて青くなっていく。

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