Beast Love
「おい、トオル! なに呑気に帰って来てんだよ、お前からも直接、俺たちと一緒に親父に抗議しろよー」


「せやでー。俺なんか、トオルに勉強教えてもらうまでの最低な成績表を机から引っ張り出して、持って来たんやからな〜。可哀想に、俺の成績表……。こんな形で皆様に晒されて……」

「……いや、ヨウのこの成績、ホントにヤバいよな」


口々にそう突っかかってくる彼らの格好は、着の身着のままだった。


恐らく、俺が家出したと聞いて即座に家出した理由を察知した彼らは、親父を説得するために飛んで来てくれたのだろう。


「……お前ら、根っからのお人好しなんだな」


涙が邪魔をして、うまく口がきけない。



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