Beast Love
父は厳格な雰囲気を保ったままだが、男の友情を目の当たりにした母に肩を叩かれ、目尻を下げていた。


今だ、今なんだ。


逃げ続けてきた現実と向き合うのは。


マサトにヨウ、それにアキラから背中を押されている今。



ひた隠して来た自分の夢への想いを、両親に伝えなければ。



「父さん、母さん。俺、真剣に教師になりたいんだ。だから、ごめん。父さんの後は継げない」


やっと面と向き合って告げれた、本当の夢。


がんじがらめになっていた鎖が、パキンッと外れたような音がした。



「……分かった。話は中で聞くから、とりあえず夜も遅いし、お友達には帰ってもらいなさい」


今までマサトたちを認めなかった父が、初めて彼らを”友達”と言ってくれた。
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