Beast Love
「へっ?!」

……見られてた?


変な誤解をされていたら嫌だと思い、必死に弁解する。



「してないしてない、ちょっと私がバランス崩しただけで、」

「ふぅ〜ん?」


(あれ? なんで私、マサトにこんなこと説明しているんだろう)


なんで、怒った顔より笑顔が見たいだなんて、思ってしまうのだろう。


マサトの隣では白虎町くんが「それよりマサト、進路希望出しに来たんやろ? 早よしてやぁ」っと猫撫で声を出す。



「まっ、俺にとっちゃどーでも良いけどよ」


ボスッと乱雑に鞄を床に放り投げ、彼は職員室に入って行った。

< 210 / 548 >

この作品をシェア

pagetop