Beast Love
そこからはもう、トントン拍子で話が進んでいった。


主人公(自殺する社会人の男)は、鳳凰 正人。

主人公の恋人役は、私で。

幼女姿の閻魔大王は、小羊 遥くん。

幼女姿を解いた閻魔大王は、白虎町 陽くん。

ナレーションは、玄武 輝くん。

そして主人公が助けるキャバ嬢役は……青龍院 透くん。



「ちょっと待て?! どうして俺がキャバ嬢役なんだ!?」

トオルくんがダンッと両手で机を叩き、驚きのままに立ち上がる。


「まぁまぁ。普通に演技したって、最優秀賞なんて獲れるわけないやん? そこは誰かが、笑いを取っていかんと」


抗議の声を白虎町くんはさらりと交わしていた。


他の人たちも自分が笑いを取る犠牲になりたくがないために、「そうだぞ青龍院」「天才のお前にしか出来ないんだってその外し役は」っと調子良くおだてている。

「……お前ら、覚えとけよ……」


恨みを帯びた声は、金に目が眩んだ男共に届くことなく掻き消されていった。
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