Beast Love
***


「ねぇ、今日は勉強するの、リビングじゃないの?」


「えっ、」


豪邸についてからさも当たり前かのようにトオルくんの自室に連れて来られ、私は首を傾げる。

「いや、この間はリビングの大きなテーブルで勉強会したからさ、今日は違うんだ〜って思って。って言うか私、男子の部屋に入るの初めてかも」


白と青で統一され清涼感のある室内で、私はちょこんと正座していた。


足の下には、慣れた動作で用意してくれたふかふかのお洒落な座布団が。


(……ここが、トオルくんの部屋なのかー)


っということは、部屋に充満しているこの香りは、トオルくんの匂い?


良い匂い過ぎません?とか、変に色々と考えて緊張してしまう。
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