Beast Love
***


「は、はぁ? ポチってなに?!」


「お前の呼び名だよ」


そんな名前で呼ばれて、尻尾振って喜ぶドM女とでも思った?


「絶対イヤ」

首を左右に揺らすと、鳳凰 正人……ええい、この際呼び捨てでも良いや。


マサトは両目の間に深い縦ジワを刻み込んで、鬱陶しそうな表情を浮かべる。


「お前に拒否権なんてねぇーんだよ。嫌な思いしたくなかったら黙って従え、ポチ」


「いやいや、そんな名前で呼ばれてるので既に嫌な思いは十分してるんですけど……」
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