Beast Love
思いもよらぬ形で抱きしめられてしまい、頭が真っ白になる。


「あ、あのさ、誰か呼んで来た方が、良くないですか……?」


正直言って、どうすれば良いのか、どうすべきなのか全く分からない。


ただひとつ分かるのは、マサトの身体が異様に熱いということ。


(……熱でもあるのかな……。なら、なおさら保健室の先生か誰かを呼んだ方がいい気がしてきた……)


四肢も動かせぬまま、されるがままになっていると、耳元でなにかを小さく囁かれる。


「……もう耐えれねぇ。好きだわ、お前のこと……自分のモノにしてぇ……」


声が小さ過ぎて、上手く聞き取れない。



よくよく耳を澄まして次の言葉を聞き取ってみれば、電撃が走ったような衝撃が、頭からつま先までを駆け抜けた。



「……いくら払ったら、俺と突き合ってくれんの?」

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