Beast Love
「あんた、地味な見た目してるのに、よく怖じ気かずマサトに口答えできるな」


クールな男子生徒、青龍院 透くんがフッと鼻で笑うと、まったり男子の玄武くんがまぁまぁ、っとマサトをなだめる。



「マサト、あんまり騒いだらまた先生に目付けられるぞ。早く席につこう」



ガラガラッと教室の扉が開き、英語の先生が姿を現す。



優しそうな爽やか教師を想像していたのだが、やって来たのは筋肉ムキムキで浅黒い肌をした強面教師だった。



「お前らぁ! 早よ席につけぇ! 席につかんヤツは欠席にするぞ!! Were you able to understand?!」



嗚呼、なんかもう色々とギャップが凄い!


ゴリゴリマッチョな上腕二頭筋が輝いて見えるし、何で竹刀持ってるのか謎だし、ツッコミが追いつかない!


「おいコラ、鳳凰! 早よ席につかんかい!」


英語教師に名指しで注意を受けたマサトはチッ、と舌打ちをしてから私に再度睨みを利かせる。


「ポチ、授業終わったら躾あるから廊下に出て待ってろ」


こ、怖ぇ〜。

絶対ヤキ入れられるやつじゃん。


この時ほど、授業が終わって欲しくないと思ったのは初めてだった。
< 24 / 548 >

この作品をシェア

pagetop