Beast Love
赤赤と夕映えの雲に名残をとどめて暮れる空を見上げては、秀才は目を細める。
「そう言えば、ちょうどこんな夕焼け空の教室だったな。……天音さん、俺に初めて勉強会を申し込んできた日のこと、覚えてる?」
「ああー。進路希望調査表の提出前の時のこと?」
「そうそう。あの時さ、天音さん……『青龍院くんからのお願い、なんでもひとつお聞きしますので』って言ってたよな。覚えてる?」
「あ、あんまり覚えてないけど、言ったような気がします……。なにせあの時は勉強を教えてもらいたくて、必死だったので」
私と向き合うトオルくんの身体は、窓から差し込む蜜柑色に縁取られる。
「じゃぁさ……俺からの願いをひとつ、聞いてくれる?」
「な、なんでしょうか……」
「俺の、彼女になってよ」
「そう言えば、ちょうどこんな夕焼け空の教室だったな。……天音さん、俺に初めて勉強会を申し込んできた日のこと、覚えてる?」
「ああー。進路希望調査表の提出前の時のこと?」
「そうそう。あの時さ、天音さん……『青龍院くんからのお願い、なんでもひとつお聞きしますので』って言ってたよな。覚えてる?」
「あ、あんまり覚えてないけど、言ったような気がします……。なにせあの時は勉強を教えてもらいたくて、必死だったので」
私と向き合うトオルくんの身体は、窓から差し込む蜜柑色に縁取られる。
「じゃぁさ……俺からの願いをひとつ、聞いてくれる?」
「な、なんでしょうか……」
「俺の、彼女になってよ」