Beast Love

ーー……翌日の放課後。



文化祭の準備で忙しい中、私は友人のハルカくんに恋人が出来てしまったことを打ち明ける。


「ええーっ?! ノゾミちゃんが、あの青龍院くんと?!! 嘘〜っ!??」


教室の片隅で行なっていた練習を中断し、台本を片手に気持ちの良いくらいにリアクションを取ってくれる友人の口を、慌てて塞いだ。


「こ、声が大きいよ……っ!」


「ごめんごめんっ」


成り行きを説明すれば、ハルカくんは「あらら〜」と眉毛を八の字に曲げる。


「それはそれは、災難だったね……。でも、青龍院くんのファンの子達が知ったら、発狂ものだねっ。ノゾミちゃん、気を付けてね?」


心配してくれてるのか、不安を煽っているのかよく分からないが、一応「ありがとう」と頷いておいた。



そんな私達の恋バナを察知したのか、オタクくんが鼻息荒くニヤニヤしながら歩み寄って来る。


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