Beast Love
実を言うと、マサトとは昨日からひと言も喋っていない。


白虎町くんや玄武くん、トオルくんとは普通に会話している姿は見たけど。



昨日の一件で、私はマサトとの間に見えない壁のようなものを感じてしまっていた。



要約すると、気まずさMAXである。


「ねぇ、ちょっといい?」


躊躇いなくマサトたちを手伝いに行こうとするオタクくんを呼び止める。


「あなたはさ、マサトが怖くないの?」


すると、眼鏡の奥でキョトンとした表情で、彼は首を横に振る。



「いいえ? 別に、僕は彼らにそのような感情を感じたことはありませんよ? ……あ、撤回します。”鳳凰くんに助けてもらうまで”は、怖かったですけどね」


「鳳凰くんに助けてもらうまで、って……どういうこと?」


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