Beast Love
「キャー! 今日1現目からもうマサトくん来てるよ、ほら!」
「あ、本当だ! 白虎町くんと玄武くん、それに青龍院くんもいるーっ」
「相変わらずイケメンっ、カッコいい!!」



騒がしい声を振りまきながら本館からやって来たのは、複数の女子生徒だった。


バタバタと走り、壁ドンされている私が背にしている廊下側の窓から、教室を覗き込んでいる。


茶髪の髪にバサバサ睫毛、ゴテゴテのネイルと首筋に振りまかれた、ドギツイ香水の香り。


明らかに自分とは違う世界の女子生徒たちの登場に、マサトに壁ドンされながら、なんでこんな事になったんだと心臓がキュッと縮こまる。


女子生徒達……、仮にA子、B子、C子としよう。



A子は憧れであろうマサトくんに壁ドンされている私に視線を向け、勝手に表情を曇らせた。



「ねぇ、マサトくん。誰〜? その子」


勝手に現れて、勝手にキレられて、少しくらいは言い返しても良い立場なんじゃなかろうか。


とか、不満気にしていると。
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