Beast Love
「俺は天音さんのこと、大好きだから」



夕陽を背に、私を必要としてくれる人が温かく笑う。


きっとトオルくんは、賢いから……


他人のことを、よく見ている人だから。


私の感情すらも読み取って、良いところも悪いところも全て、包み込んでしまえるのだろう。



「じゃぁ、また明日」


優しい蒼がかった髪が遠ざかり、景色に溶けていく。


(そんな優しさを感じさせられたからには、私もトオルくんのことを……)



安心感を与えてもらった胸を抑えつけ、私はそっと呟く。


「……成り行きとはいえ、ちゃんと好きにならないといけないよね……」




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