Beast Love
「天音さんは俺の恋人だ。勝手な真似をして彼女を傷付けないでくれ」
否定することなく頷く青龍院の瞳は、静かに燃ゆる恋の炎が映し出されていた。
誰にも彼女を渡さないと渦巻く、嫉妬の炎が。
「……はっ、どういう冗談だよ、それ。なにかの間違いだろ」
微かな動揺を見せる鳳凰 正人に、青龍院がトドメをさす。
「冗談なんかじゃない。数週間前から付き合ってるんだ、俺と天音さんは。だから、…………」
制服のネクタイを引っ張り、自分よりも身長の高い男の顔を引き寄せる。
「天音さんは、お前のペットじゃない。俺の、女だ」