Beast Love
(うーむ。男子らしからぬ可愛い仕草からして多分、この人は……)
若干気になっていることを質問しようとすれば、ハルカくんは自ら素性を暴露してきた。
「実は僕、女装が趣味でさー、ずっと女の子のお友だちが欲しかったんだぁ! きゃはっ」
「お、あ、うん。そっ、そうなんだ」
お目目から星が出そうなくらいのウィンクをかましてくる男子生徒に、終始押され気味になる。
いやいや、ちょっと引いてる場合じゃないぞ。
(せっかく向こうからクラスで浮いてる私に歩み寄って来てくれたんだ、仲良くしよう)
「声掛けてくれてありがとう。一緒にお弁当食べよ?」
「うんっ!」
ハルカくんは、ぱぁっと花が咲いたような笑顔を浮かべた。