Beast Love
「天音さんは、俺と付き合ってるよ」
まるでスポットライトを浴びてるようかに燦々と太陽に照らされる男子生徒が、階段を降りてくる。
眩しさに細めていた目を元に戻すと、現れた人物をやっと認識することができた。
「あ、トオルくん。お疲れ様」
呑気に挨拶をしたのは、私だけ。
いっちゃんと小雪さんは、衝撃の事実に固まっていた。
「の、ノゾミんの彼氏が、青龍院 透くん?!」
「ええー、嘘ーっ」
汚れが落ちた洗剤のコマーシャル並みに驚くふたりに、男子生徒はやや表情を曇らせる。
「嘘じゃない。今ここで証明してもいいよ」
伸ばされた手が、グイッと私の顎を上げた。
数秒後の未来を想像し、近付いてくる顔を拒絶する。
「えっ、ちょ、いやっ、」
突き出した手のひらは、押さえ込まれてしまった。
「嫌じゃないだろ?」
(と、友達が見てるんですけど?!)とも言えず、というか反論するよりも早く唇が重なった。
炎天下の中、とろけるような口付けに頭が真っ白になる。
心の準備なんてする間もなく、私の唇はあっさりと、トオルくんに奪われてしまった。
友人たちの羞恥心を孕んだ歓声が、青空に流れていく。
まるでスポットライトを浴びてるようかに燦々と太陽に照らされる男子生徒が、階段を降りてくる。
眩しさに細めていた目を元に戻すと、現れた人物をやっと認識することができた。
「あ、トオルくん。お疲れ様」
呑気に挨拶をしたのは、私だけ。
いっちゃんと小雪さんは、衝撃の事実に固まっていた。
「の、ノゾミんの彼氏が、青龍院 透くん?!」
「ええー、嘘ーっ」
汚れが落ちた洗剤のコマーシャル並みに驚くふたりに、男子生徒はやや表情を曇らせる。
「嘘じゃない。今ここで証明してもいいよ」
伸ばされた手が、グイッと私の顎を上げた。
数秒後の未来を想像し、近付いてくる顔を拒絶する。
「えっ、ちょ、いやっ、」
突き出した手のひらは、押さえ込まれてしまった。
「嫌じゃないだろ?」
(と、友達が見てるんですけど?!)とも言えず、というか反論するよりも早く唇が重なった。
炎天下の中、とろけるような口付けに頭が真っ白になる。
心の準備なんてする間もなく、私の唇はあっさりと、トオルくんに奪われてしまった。
友人たちの羞恥心を孕んだ歓声が、青空に流れていく。