Beast Love
閉会式を終え、下校前のホームルームのために教室に集められたZ組では。


「んだよ、校長の野郎! 俺らにこんなもん送りつけやがって!」
「舐めくさってやがる!」


教卓の上に置かれたダンボールには、ひとり一冊の学習用のノートが積み上げられていた。



「最優秀作品の景品が、ノート1冊って!! マジありえんわ!!」


勉強嫌いの彼らに送られたのは、勉強をするための道具。


現金や海外旅行などもらえるはずはないにも関わらず、夢見ていた男子は大きく落胆しだす。



「あーあ。ないわー。俺、生まれて初めて”絶望”と言う感情を噛み締めてるわ」

そんな男子たちを横目に私は、(大げさだなぁ)とため息を吐いた。


っとそこへ、担任の宇佐美先生がやって来た。


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