Beast Love
「いい悪戯を思いついたわ! ……プールに薔薇を浮かべて、芸能人が入るみたいな薔薇風呂みたくすれば面白いんとちゃう? 俺らがやったってバレても、そないに怒られんで済むし」


小学生が考えつくような案に、Z組の男たちは大賛成だった。


「おもしれー! よし、そうと決まればさっそく花屋で薔薇を買い占めてやろうぜ?!」
「俺たちの演技で今日は外部への桜島高校の評判を上げてやったし、少しくらいは無茶してもいいよなっ」


悪いことを実行すると決めた男たちのテンションの上がりようは、半端ではなかった。


私も口では「おバカさんばっかりだなぁ」なんて言いながら、クラスメイトとの思い出がひとつ増えるということもあり、少しワクワクとしてしまう。



その証拠に、口角が僅かに上がっている。



Z組の私たちは、各々プールに浮かべたいものを持参して、22時に校門前に集合することになった。
< 307 / 548 >

この作品をシェア

pagetop