Beast Love
「あ、いや、うん、ごめんなさい……」
息を吸うたびに苦しいのは、生暖かい風のせいだけじゃない。
私の知らない”ときめき”を、彼がくれるから。
「春に行ったカレイドスコープって、マサトもいたんだろ?」
短く甲高いブレーキ音とともに、自転車が止まる。
「なぁ。唐突で悪いけどキス、してもいい?」
落ちてくるような星空の下、路地裏の片隅で。
両手首を掴まれて、逃げ道も塞がれて。
人目を避けるように、唇を重ねた。
私はトオルくんの嫉妬を受け止めるのに必死で、息も絶え絶えに快楽に堪える。
「……このまま、君を連れ去りたいな」
吐息混じりに囁くけれど、見上げればいつものトオルくんに戻っていて。
「時間取らせてごめん、学校に行こうか」
クールな仮面の下に、溢れんばかりの愛情を隠しているトオルくんに導かれつつ、私は静かに頷いた。
息を吸うたびに苦しいのは、生暖かい風のせいだけじゃない。
私の知らない”ときめき”を、彼がくれるから。
「春に行ったカレイドスコープって、マサトもいたんだろ?」
短く甲高いブレーキ音とともに、自転車が止まる。
「なぁ。唐突で悪いけどキス、してもいい?」
落ちてくるような星空の下、路地裏の片隅で。
両手首を掴まれて、逃げ道も塞がれて。
人目を避けるように、唇を重ねた。
私はトオルくんの嫉妬を受け止めるのに必死で、息も絶え絶えに快楽に堪える。
「……このまま、君を連れ去りたいな」
吐息混じりに囁くけれど、見上げればいつものトオルくんに戻っていて。
「時間取らせてごめん、学校に行こうか」
クールな仮面の下に、溢れんばかりの愛情を隠しているトオルくんに導かれつつ、私は静かに頷いた。