Beast Love
彼もこちらに気付いたようで、「よお」っと片手を上げる。


「ポチも来たんだな」


上げていた片手でコンクリートを叩き、隣に座れということを示してくる。


大人しく腰掛ければ、私を真ん中に挟むようにして、白虎町くんがどこからかすっ飛んできた。


「ノゾミちゃん! いやぁ、文化祭ではマサトと頑張ってくれてありがとうなぁ。おかげで妹も手術頑張るわって言うてくれてん! マジ感謝感激!」


「あ、あははー。いやいや、妹さんを勇気づけれたなら、良かったよ」

私の手を握って大げさに上下に振る白虎町くんに圧倒されていると、入り口からぞろぞろと人がなだれ込んでくる。


他の生徒を迎えに行っていた玄武くんが、合流したようだ。


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