Beast Love

「ねぇねぇ、ハルカくん。朝にヤンキー野郎に突き飛ばされた時にオタクくんから聞いたんだけど、あの不良4人組って結構、有名人なの?」


春の日差しを浴びながらお弁当に箸を伸ばし、動物園のように騒がしい教室内で、そう尋ねる。


ハルカくんは可愛い目をぱちくりと瞬きさせた後、食堂に行ったであろう4人の席をそれぞれ見つめ、コクリと頷いた。


「有名も何も、この学校じゃ知らない人はいないくらいだよ。女子からは好意を寄せられて、男子からは畏怖されてるんだよ。特に、鳳凰 正人くんはね」



「ふーん。でも、頭良いって聞いた青龍院くんとか、あのまったりしてる男子……玄武くんとか、明らかにマサトと正反対のタイプだよね。なんで一緒にいるんだろ?」



「さぁ……。あんまり良くない噂しか聞いたことないなぁ。あ、ここだけの話だけどね?」


そう言って、大胆にもプリティーフェイスをぐっと近付けてくる。



「青龍院くんは、自分からこの”外れ者”が集まるクラスを希望したらしいよ? 玄武くんの方は、2年の最後にバスケ部の顧問を殴って、このクラスに飛ばされたみたい」
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