Beast Love
***
「天音さんはさ、夏休みどこか行きたい場所はある?」
学校からの帰り道、和やかな笑みを浮かべるトオルくんにそう尋ねられ、私は「うーん」と首を捻った。
「特に、これといってないかなぁ……」
学校の女子生徒たちに付き合っていることがバレたら私が嫌がらせを受けるからと、トオルくんはいつも先に校門を出て少ししたところで待っていてくれている。
そこまでして一緒に帰りたいと思ってくれているところが、ちょびっと嬉しい。
「じゃぁさ、夏休みに入ってすぐに地元である花火大会に行こう?」
彼は花火大会デートをしようと、ストレートに誘ってきた。
「俺、夏休みは天音さんにたくさん会えると思って、楽しみにしてるからさ。っていうか、毎日でも会いたいし」
……この人は、自分の格好良さを自覚しているんだろうか。
その辺にいる女子が聞いたら、ときめきで瞬殺されそうな勢いである。
「うわぁ〜、それ、受験に絶対的な自信のあるトオルくんにしか言えない台詞だ〜」
本気にはせずに軽く流すと、身体の横に放置されていた手を取られ、指を絡められる。
「照れ隠ししてないでさ、たまには俺のこと、好きって言ってもいいけど?」
「天音さんはさ、夏休みどこか行きたい場所はある?」
学校からの帰り道、和やかな笑みを浮かべるトオルくんにそう尋ねられ、私は「うーん」と首を捻った。
「特に、これといってないかなぁ……」
学校の女子生徒たちに付き合っていることがバレたら私が嫌がらせを受けるからと、トオルくんはいつも先に校門を出て少ししたところで待っていてくれている。
そこまでして一緒に帰りたいと思ってくれているところが、ちょびっと嬉しい。
「じゃぁさ、夏休みに入ってすぐに地元である花火大会に行こう?」
彼は花火大会デートをしようと、ストレートに誘ってきた。
「俺、夏休みは天音さんにたくさん会えると思って、楽しみにしてるからさ。っていうか、毎日でも会いたいし」
……この人は、自分の格好良さを自覚しているんだろうか。
その辺にいる女子が聞いたら、ときめきで瞬殺されそうな勢いである。
「うわぁ〜、それ、受験に絶対的な自信のあるトオルくんにしか言えない台詞だ〜」
本気にはせずに軽く流すと、身体の横に放置されていた手を取られ、指を絡められる。
「照れ隠ししてないでさ、たまには俺のこと、好きって言ってもいいけど?」