Beast Love
喉から、「ふごっ」と変な息が出てしまった。
「ほら、言ってみて?」
徐々に近づいてくる宝石のような瞳に、吸い込まれそうになる。
「え、えーっと…………」
電柱を背に追い詰められていると、バクバクと心臓が高鳴っていることを感じる。
「俺は天音さんのこと好きだよ。天音さんは?」
まんまとトオルくんのペースに、飲み込まれている。
「す、すすすっ、好き…………じゃないこともないです……」
空気がパンパンに入った風船がしぼむように声を出せば、トオルくんはいきなり私の上半身を抱き寄せた。
「わっ! 誰かが見てたらどうす……」
「あー、可愛いすぎかよ。無理。可愛い、超好きすぎる」
彼があまりにも幸せそうに抱き締めてくるから、反論する気も失せてしまった。
きっと、こんなにズブズブに私を甘やかして優しく全力で愛してくれる人なんて、この世にトオルくんしかいないんだろうなぁって思う。
冷静さを取り戻した彼が、私を腕から離してまた微笑む。
「急に抱き締めてごめん。天音さんが可愛すぎるから、つい抑えきれなくって」
「なんて言うんだろうね、こういうのを”彼氏バカ”って言うんだろうね」
また可愛げのない台詞を吐きながら、私は日に日に長くなる夕焼け空を仰ぐ。
もうすぐ、夏の本番がやってくる。
「ほら、言ってみて?」
徐々に近づいてくる宝石のような瞳に、吸い込まれそうになる。
「え、えーっと…………」
電柱を背に追い詰められていると、バクバクと心臓が高鳴っていることを感じる。
「俺は天音さんのこと好きだよ。天音さんは?」
まんまとトオルくんのペースに、飲み込まれている。
「す、すすすっ、好き…………じゃないこともないです……」
空気がパンパンに入った風船がしぼむように声を出せば、トオルくんはいきなり私の上半身を抱き寄せた。
「わっ! 誰かが見てたらどうす……」
「あー、可愛いすぎかよ。無理。可愛い、超好きすぎる」
彼があまりにも幸せそうに抱き締めてくるから、反論する気も失せてしまった。
きっと、こんなにズブズブに私を甘やかして優しく全力で愛してくれる人なんて、この世にトオルくんしかいないんだろうなぁって思う。
冷静さを取り戻した彼が、私を腕から離してまた微笑む。
「急に抱き締めてごめん。天音さんが可愛すぎるから、つい抑えきれなくって」
「なんて言うんだろうね、こういうのを”彼氏バカ”って言うんだろうね」
また可愛げのない台詞を吐きながら、私は日に日に長くなる夕焼け空を仰ぐ。
もうすぐ、夏の本番がやってくる。