Beast Love
それから数日も経たないうちに、城之内の耳に私とカレンが仲良くなったという情報が耳に入ったらしい。


いじめの照準は、私にも当てられ始めていた。


「天音ー、あんまり西園と仲良くしない方が良いぜ? お前もさ、平和にこの1年、過ごしたいだろ?」


遠回しにカレンを助けようとするのは止めろと忠告してくる腐った男の戯言を、軽く流す。


「誰と仲良くしようが、私の勝手でしょ」



後ろで震えるカレンを庇うようにして城之内に立ちはだかりながら、私は彼女の手を強く握りしめた。


絶対に、離しはしないと。


私だけは、あなたの味方でいると。


それが友だちなんだって、信じていたから。





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