Beast Love
「ちょっと! なにしてんのよ?!」


大声で男子生徒たちを威嚇し、猛スピードで友人に自身のブレザーをかけた。


「あー、いいとこだったのによぉ。本当、天音は邪魔だなぁ」


「あなた、頭おかしいよ!? こんなことして、…………っ」


こみ上げる怒りを抑えきれずに睨みを効かせていると、興醒めだと言いながら城之内は踵を返す。


そして、まだ非情な青い炎を灯している目だけをこちらに向けて、悪魔のような笑みを浮かべた。


「なぁ、西園。天音は邪魔だよなぁ? お前も心の内ではそう思ってんだろ?」



すると、私の背中に強い衝撃が走る。



顔を地面にぶつけながら驚くと、脱がされた制服で恥部を隠したカレンが、何度も私を蹴り上げてくる。


「あんたが余計なことするから、イジメが酷くなったじゃん!」


泣いて腫れた瞳に、強い恨みが込められているのが分かった。



「そんなゴミみたいな正義感振りかざして、楽しい? ねぇ、周りのこと考えずに自己中心的に人助けして、楽しいの?」


違う、違うの。


私はイジメに苦しんでる貴女を、助けてあげたかった。


ただ、それだけなのに。


「あんたが友だちになる前のほうが、よっぽどマシな毎日だった! もう私に関わらないで、私の友だち面しないで!!」



音を立てて、なにかが壊れていく。


バラバラに、砕けていく。



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