Beast Love

色紙を手にしたまま涙を流す私の前に、人影が重なる。



それは、色紙の真ん中に大きく『頼むから、死んでくれ』と書いていた、城之内で。



「ああ、それさ、みんなからのプレゼント。どう? 喜んでもらえた?」


虚無を感じている顔を上げれば、腹を抱えて笑われる。



城之内の笑い声に同調した教室内が、不愉快な笑いで満ちていく。



「あははっ! その顔、最高! お前、ホントいじめ甲斐あるなぁ〜。俺、超好きだよお前のこと! キモすぎてさ! くっ、はははっ!」



涙で霞んだ視界の中、教室内にカレンの姿は見えなかった……。

……ーー
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