Beast Love
(た、助かった…………)



猛威が過ぎ去りホッと息を撫で下していると、視線をズラしたマサトが、鞄をまさぐりガソリンスタンドの制服を差し出してきた。



「着ろよ、そんな格好じゃ表出れねぇだろ」


指摘されて、やっと初めて気が付いた。


私のTシャツは、男たちに引っ張られて所々が破けていたのだ。


「あ、ありがとう……」

「バイト終わりで汗ついてて悪りぃけど、ないよりはマシだろ」


大人しく制服のポロシャツを受け取り、Tシャツの上から袖を通す。


一瞬、気まずい静寂が流れたが、沈黙を破ったのはマサトだった。



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