Beast Love
「文化祭の日に友だちからポチの過去、聞いた。前の学校で、色々大変だったんだってな」
(……そうか。いっちゃん、マサトに話したんだ)
何も返さずに肯定し、目線を足元に向ける。
偽善者だとか、馬鹿な助け方しか出来ない女だとか呆れられていたら、どうしよう。
怖くて、マサトの顔が直視できない。
自信の無さからそんな不安を抱いていると、頭に大きな手のひらが降りてくる。
私を、醜い男たちから救ってくれた、大きな手が。
「あのなぁ、もっと胸張れって。テメェが自分のこと信じてやらねぇーで、どうすんだよ。友だち、助けようとしたんだろ? なら胸張れよ、褒めてやれよ。友だちを助けようと手を伸ばせた、自分を」
はっと顔を上げると、そこには人を褒めることに不慣れな男の子の、照れ臭そうな顔があって。
拳で口を隠して、ワザと視線を斜めに逸らす彼の頬は、少し朱色に染まっている。
「俺は好きだぜ? ノゾミのその、馬鹿正直なところ」
(……そうか。いっちゃん、マサトに話したんだ)
何も返さずに肯定し、目線を足元に向ける。
偽善者だとか、馬鹿な助け方しか出来ない女だとか呆れられていたら、どうしよう。
怖くて、マサトの顔が直視できない。
自信の無さからそんな不安を抱いていると、頭に大きな手のひらが降りてくる。
私を、醜い男たちから救ってくれた、大きな手が。
「あのなぁ、もっと胸張れって。テメェが自分のこと信じてやらねぇーで、どうすんだよ。友だち、助けようとしたんだろ? なら胸張れよ、褒めてやれよ。友だちを助けようと手を伸ばせた、自分を」
はっと顔を上げると、そこには人を褒めることに不慣れな男の子の、照れ臭そうな顔があって。
拳で口を隠して、ワザと視線を斜めに逸らす彼の頬は、少し朱色に染まっている。
「俺は好きだぜ? ノゾミのその、馬鹿正直なところ」