Beast Love
(あの、男の人は……)
大切そうに飾られた写真の中の人物は、すでにこの世にはいないのだろう。
(それにしても、もしあの男の人が仮にマサトの父親だったとすれば、顔が全く似ていない気もする)
不思議そうに見つめていると、私の視線を感じ取った本人が幼児に絵本を読み聞かせるように、丁寧に説明してくれた。
「あの写真の人は、近藤 誠司(こんどう せいじ)。お袋の元カレで、……あー、おふくろさ、俺を産んだあとすぐに親父と離婚してんだ。それで、誠司さんと付き合ってた。そんでもって、誠司さんは……俺の憧れだった男」
そう語るマサトの目は、今までに見たことないくらい、寂しそうで。
大切そうに飾られた写真の中の人物は、すでにこの世にはいないのだろう。
(それにしても、もしあの男の人が仮にマサトの父親だったとすれば、顔が全く似ていない気もする)
不思議そうに見つめていると、私の視線を感じ取った本人が幼児に絵本を読み聞かせるように、丁寧に説明してくれた。
「あの写真の人は、近藤 誠司(こんどう せいじ)。お袋の元カレで、……あー、おふくろさ、俺を産んだあとすぐに親父と離婚してんだ。それで、誠司さんと付き合ってた。そんでもって、誠司さんは……俺の憧れだった男」
そう語るマサトの目は、今までに見たことないくらい、寂しそうで。