Beast Love

その日の放課後、スマホを確認すると前の学校の友だち、いっちゃんからメッセージが届いていた。


いっちゃんは幼稚園からの幼馴染みで、そばかすが特徴的な、お笑い芸人のように明るい女の子である。



《よ、ノゾミん！ 転校初日はどうだったー？！》


「どっ、どうだも何もないよ！」



担任はオネェだし、クラスに女子1人だけだし、いきなりヤンキー野郎に突き飛ばされるし、かと思えば学校イチの不良にペット認定されるし……。


机に座ったまま思ったことを混乱のまま返信すると、いっちゃんからすぐに返事が来た。


《なにそれ超面白い！ ちょいさ、明日土曜日で学校ないし、会おうよ！ ノゾミんが引っ越したT県って、有名な遊園地あるよね？ 私、そっちに行くからさっ》


そう、いっちゃんは面白いことがあるとすぐに飛び付いてしまう性格の持ち主である。


《うん、まぁ良いよ。あ、そうだ。新しく出来た友だちも連れて行っていい？》





いっちゃんに返事を返す前に、帰ろうと身支度を整えるハルカくんに私は駆け寄った。