Beast Love
「させるかよっ!」


聞き覚えのある無愛想な声が、高架下にくっきりと輪郭を形作り、生き生きとした勢いで響いた。


手に持っている竹刀で城之内の鉄パイプを弾き飛ばしたそいつは、俺の前に仁王立ちする。


学年トップの頭脳の持ち主は、中学時代に全国を制覇した剣道の腕前の持ち主だったっけか。



(な、なんでお前が……ここにいるんだよ……)



遠くでは、関西弁を話す人情家の糸目野郎と、義理深いバスケ部のエースが男たちと殴り合っている。



これが誠司さんの言っていた、奇跡なのか?


俺は、そいつの……そいつらの名前を、噛み締めた唇の隙間から震わせた。



「と、トオル……? ヨウ、アキラ……なんで、お前ら、……っ」

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