Beast Love

***



(……ひとまず、マサトを守れて良かった。あと、天音さんの誤解も解けたみたいだし、一件落着だな)


胸を撫で下ろし、握っていた木材から手を離して事の顛末を見守っていると。


「っつーわけで、今後は俺らに二度とか関わんじゃねーぞ?」


鉄パイプで殴られ、額から血を流して迫力の増したマサトが睨みを利かせて城之内を脅している。




「西園さんにも、学校内でも関わったらアカんで? もし約束破ったら、タダで済まさへんよぉ?」


後ろからさらに、白虎町も追い打ちをかける。



こいつらは極道か何かか、っと思えるようなプロ級の脅しに、ちょっと引く。


「なぁ? トオルもそう思うやろ?」


白虎町に同意を求められ、もうこいつが二度と悪さをしないように俺も念を押した。

「ああ、そうだな。また俺の大切な人たちを傷付けるようなことがあれば、ありとあらゆる権力を使って、君に復讐してしまうかもしれないな」



城之内はと言うと、俺たちに完全に震え上がり、「や、約束しまずぅ!」っと泣きべそをかいて走ってどこかに消えていった。






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