Beast Love
駅前には、たくさんの人が集まっていた。
「うっわー、人の山だなこれは……」
私と同じように浴衣を着ている女子の姿が目立つ。
皆、花火大会に参加する人たちだろう。
「駅前の時計台を待ち合わせ場所にしたけど、トオルくん何処だろう? もう着いてるのかな」
そんなことを思っていると、聞き覚えのある関西弁が耳に飛び込んできた。
「あらぁ、キミ可愛いなぁ。よかったら俺らと一緒に花火見ぃひん?」
(……こ、この声は…………)
トントンッと指先で肩を叩かれるが、顔を見なくても相手が分かる。
恐る恐る振り返ると、そこには案の定……夏の装いをした白虎町くんと玄武くんがいた。