Beast Love
騒がしい議論の末、私が参加する種目は二人三脚に決まった。
「ノゾミちゃん、僕とペアだね! よろしくねっ」
「うん、ハルカくん。息合わせて頑張ろうねっ」
幸い、ペアはハルカくんとだから上手く乗り切れそうな雰囲気だ。
トオルくんは玄武くんと同じ種目、100m走の第3走者に配属された。
マサトと白虎町くんは、棒倒しに決まったようだ。
(まぁ学校NO.1の不良と敵をノラリクラリとうまくかわす白虎町くんがいれば、我が赤組の棒は永久に倒されることはないだろうなぁ)
マサトが陣取る棒を倒しに来る生徒は果たして、何人いるのだろうか。
主力の本人が不在なまま、体育祭の重要なことが決まっていく。
どこか、居心地の悪さを残しながら。
それぞれの生徒の参加するメモ用紙を抱えた宇佐美先生は、「決まったわね」っと軽く頷く。
「じゃぁ、明日から本格的な練習始めるわよっ」