Beast Love


「あっつ〜い。日焼けする〜」



開会式も終わり、うちわで若干の風を起こしながらグラウンドの真ん中で競技をする1年生を眺めていると、校門の方から黄色い声が上がる。



「キャー! 3年生の鳳凰先輩だ!!」
「ちょっと、一緒に写真撮ってもらお!?」


どうやら大魔王のおでましのご様子だ。



下級生たちがスマホを片手に、輪になってマサトを取り囲んでいる。


「あっ! マサトくんが来たよ?! 最後の思い出に、私たちも写真撮ろう?」
「いいねー、行こいこー」


同級生も負けじと真っさらな体操服を靡かせ、駆け足で集まっていく。


「ははーん。凄い人気だね」



白い目で漫画のような人気ぶりを発揮している男子を見つめていると、ハルカくんが「あちゃー」っとおデコを抑えた。



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